【問179】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|株主代表訴訟の提起手続
株式会社の組織と運営 問19/20難易度B(標準)
問題文
株主が役員等の責任を追及する株主代表訴訟の提起手続について、最も適切なものはどれか。
- 1.株主代表訴訟を提起するには、総株主の議決権の100分の3以上を有していることが必要とされている。
- 2.株主代表訴訟において原告株主が勝訴した場合、被告が支払う損害賠償金は原告株主に直接帰属する。
- 3.株主は、会社に対して提訴を請求することなく、直ちに役員等の責任追及の訴えを提起するのが原則である。
- 4.株主は会社に提訴を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときは、自ら会社のために訴えを提起できる。
解説
正解は4。株主代表訴訟は、まず株主が会社に対して書面等により役員等の責任を追及する訴えの提起を請求し、会社が請求の日から60日以内に訴えを提起しない場合に、株主が会社のために自ら訴えを提起する仕組みである(会社法847条)。会社が自ら責任追及することを優先させつつ、経営陣の仲間意識により責任追及が行われない事態に備える制度である。なお60日の経過により会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、直ちに提起できる。
1は誤り。株主代表訴訟は単独株主権であり、持株数の要件はない。公開会社では6か月前から引き続き株式を有していることが必要とされるが、公開会社でない会社ではこの保有期間の要件も課されない。2は誤り。株主は会社のために訴えを提起するのであるから、賠償金は会社に帰属し、原告株主に直接帰属することはない。勝訴した株主は必要費用や弁護士報酬相当額の支払を会社に請求できるにとどまる。3は誤り。前記のとおり提訴請求が原則として前置される。
2級では、訴訟の目的の価額が財産権上の請求でない請求とみなされ手数料が一律である点、悪意による提訴に対する担保提供命令、多重代表訴訟の制度まで押さえておきたい。