【問173】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|取締役の選任と解任
株式会社の組織と運営 問13/20難易度B(標準)
問題文
公開会社であるD株式会社の取締役Eが、任期の途中で株主総会の決議により解任された。この場合について、最も適切なものはどれか。
- 1.取締役を任期の途中で解任するには株主総会の特別決議が必要であり、普通決議によって解任することはできない。
- 2.解任について正当な理由がない場合、Eは会社に対して解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
- 3.取締役の解任には正当な理由があることが要件とされ、正当な理由を欠く解任決議は効力を生じない。
- 4.解任議案が株主総会で否決された場合に、少数株主が裁判所に取締役の解任を請求する制度は設けられていない。
解説
正解は2。会社法339条1項は、役員はいつでも株主総会の決議によって解任することができるとし、同条2項は、解任について正当な理由がある場合を除き、解任された者は会社に対し解任によって生じた損害の賠償を請求できるとする。会社側の解任の自由を確保する一方で、任期満了までの報酬相当額など取締役が受ける不利益を金銭で填補する仕組みである。
1は誤り。取締役の解任は普通決議で足りる。ただし累積投票により選任された取締役の解任および監査役の解任は特別決議による点に注意したい。3は誤り。正当な理由は解任の有効要件ではない。正当な理由がなくても解任決議は有効であり、その効果は損害賠償の問題として処理される。解任の効力と賠償責任を切り分けて考えるのが本問の要点である。4は誤り。取締役の職務の執行に関し不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず解任議案が否決された場合、一定の要件を満たす少数株主は解任の訴えを提起することができる(会社法854条)。
2級では、解任決議の要件、正当な理由の有無による帰結の違い、少数株主による解任の訴えという3点をセットで押さえておきたい。