【問172】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|決議の瑕疵を争う訴え
株式会社の組織と運営 問12/20難易度C(難しい)
問題文
C株式会社の株主総会において、一部の株主に招集通知が発せられないまま決議がされた。この決議の効力を争う方法として、最も適切なものはどれか。
- 1.招集通知の欠缺は決議の内容が法令に違反する場合にあたるから、株主は決議無効確認の訴えを提起すべきである。
- 2.株主総会の決議の取消しの訴えは、決議の日から1年以内であればいつでも提起することができる。
- 3.招集手続の法令違反にあたるから、株主は決議の日から3か月以内に決議取消しの訴えを提起することができる。
- 4.決議取消しの訴えにおいて、違反する事実が重大でなく決議に影響を及ぼさないものであっても、裁判所が請求を棄却することは認められない。
解説
正解は3。一部の株主への招集通知漏れは招集手続の法令違反であり、決議取消しの訴えの取消事由にあたる(会社法831条1項1号)。同訴えは決議の日から3か月以内に提起しなければならない。法律関係の早期安定を図るため、提訴期間と提訴権者を限定した形成訴訟としている点が特徴である。
1は誤り。決議無効確認の訴えは決議の内容が法令に違反する場合の制度であり、招集手続の瑕疵は内容の瑕疵ではない。なお、大多数の株主に通知がされないなど手続の瑕疵が著しい場合には、決議は存在しないものと評価され不存在確認の訴えによることになる。2は誤り。提訴期間は1年ではなく3か月である。3か月を経過すると決議の効力を争えなくなる点が実務上きわめて重要である。4は誤り。招集手続または決議方法の法令定款違反について、その違反する事実が重大でなく、かつ決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、裁判所は請求を棄却することができる(裁量棄却、会社法831条2項)。
2級では、取消し、無効確認、不存在確認の3つの訴えについて、瑕疵の類型、提訴期間の有無、判決の効力を対比して覚えることが求められる。