【問170】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|議決権の代理行使と書面投票
株式会社の組織と運営 問10/20難易度B(標準)
問題文
株主総会における議決権の代理行使および書面による議決権行使について、最も適切な記述はどれか。
- 1.株主が議決権を代理行使させる場合、代理権の授与は一度行えば以後の株主総会のすべてについて効力が及ぶ。
- 2.議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である場合でも、書面による議決権の行使を認める必要はない。
- 3.定款をもって議決権行使の代理人を株主に限る旨を定めることは、株主の権利を不当に制限するものとして判例上も無効とされる。
- 4.株主はその有する議決権を統一しないで行使することができるが、取締役会設置会社ではあらかじめ会社への通知を要する。
解説
正解は4。信託の受託者や名義株主のように他人のために株式を有する者は、実質的な権利者ごとに異なる意思を反映させる必要がある。そこで会社法313条は議決権の不統一行使を認めつつ、取締役会設置会社では株主総会の日の3日前までに、不統一行使をする旨とその理由を会社に通知しなければならないとしている。
1は誤り。代理権の授与は株主総会ごとにしなければならない(会社法310条2項)。包括的な代理権授与を認めると、株主の意思から離れた議決権行使がされるおそれがあるためである。2は誤り。議決権を行使することができる株主の数が1000人以上の会社は、書面による議決権行使を認めなければならない。株主が多数にのぼる会社で総会に出席できない株主の意思を反映させる趣旨である。3は誤り。判例は、総会が株主以外の第三者によってかく乱されることを防止する趣旨に出た合理的な制限であるとして、代理人資格を株主に限る定款の定めを有効としている。
2級では、代理行使、書面投票、電子投票、不統一行使の各制度について、義務なのか任意なのか、通知や書面の要否はどうかという要件の違いを整理しておきたい。