【問165】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|計算書類と剰余金の配当
株式会社の組織と運営 問5/20難易度C(難しい)
問題文
計算書類および剰余金の配当に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.剰余金の配当は1事業年度に1回に限られ、定時株主総会の決議によってのみ行うことができるのが原則である。
- 2.分配可能額を超える剰余金の配当がされたときは、配当を受けた株主も会社に対し交付を受けた金銭等の帳簿価額相当額を支払う義務を負う。
- 3.計算書類とは貸借対照表および損益計算書の2つのみをいい、株主資本等変動計算書や個別注記表はこれに含まれない。
- 4.中間配当を行うにあたり定款の定めは不要であり、取締役会設置会社であれば取締役会の決議のみで足りる。
解説
正解は2。分配可能額を超える剰余金の配当はいわゆる違法配当であり、会社法462条1項により、金銭等の交付を受けた株主および配当に関する職務を行った業務執行者は、会社に対し連帯して交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。業務執行者は職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば免責されるが、株主の会社に対する義務はそのような証明によって免れるものではない。
1は誤り。会社法は配当の回数を制限しておらず、分配可能額の範囲内であれば株主総会の決議により期中いつでも剰余金の配当ができる。3は誤り。計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書および個別注記表をいう(会社法435条2項)。事業報告はこれに含まれない付属の書類である点も併せて確認したい。4は誤り。中間配当は、取締役会設置会社が定款にその旨を定めた場合に限り、1事業年度に1回に限って取締役会の決議で行うことができる(会社法454条5項)。
2級では、配当の決定機関と財源規制、そして違法配当がされた場合に株主と取締役が誰に対してどのような責任を負うかという帰結が問われる。