【問162】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|株主平等の原則と株主有限責任
株式会社の組織と運営 問2/20難易度A(易しい)
問題文
株主平等の原則および株主が負う責任に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.株主平等の原則は株主の頭数を基準とする平等をいい、各株主が有する株式の数の多寡は考慮されない。
- 2.公開会社でない株式会社であっても、剰余金の配当について株主ごとに異なる取扱いを定款で定めることは認められない。
- 3.株主は会社債権者に対し、その有する株式の引受価額を超えて直接に弁済する責任を負うのが原則である。
- 4.株式会社は、株主をその有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱わなければならない。
解説
正解は4。会社法109条1項は、株式会社は株主をその有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱わなければならないと定める。株主平等の原則は、多数派株主による少数派株主の搾取を防ぎ、株式への投資の安全を確保するための基本原則である。
1は誤り。株主平等の原則が求めるのは頭数による絶対的平等ではなく、持株数に比例した取扱いである。したがって100株を有する株主は1株を有する株主の100倍の配当を受け、100個の議決権を有する。2は誤り。公開会社でない株式会社は、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会における議決権について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる(会社法109条2項)。閉鎖的な会社では属人的な取扱いに合理性が認められるためである。3は誤り。株主は引受価額を限度とする出資義務を負うにとどまり、会社債権者に対して直接に責任を負うことはない(株主有限責任の原則、会社法104条)。
2級では、株主平等の原則の例外がどこまで認められるか、また剰余金配当請求権と残余財産分配請求権の全部を株主に与えない旨の定款の定めが無効とされる点まで押さえておきたい。