【問156】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|訴訟上の和解と裁判外の和解
倒産処理と紛争の予防・解決 問16/20難易度A(易しい)
問題文
訴訟上の和解と裁判外の和解の効力の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.訴訟上の和解が成立しても訴訟は当然には終了せず、原告が別に訴えを取り下げない限り訴訟は係属したままである。
- 2.裁判外の和解の合意書を作成しておけば、相手方が約束を履行しない場合に、その合意書を債務名義として直ちに強制執行をすることができる。
- 3.訴訟上の和解の内容が和解調書に記載されると、その記載は確定判決と同一の効力を有し、債務名義となる。
- 4.和解は当事者が互いに譲歩をして成立する契約であるから、当事者間に争いのあった事実については和解の効力が及ぶことはない。
解説
正解は3。訴訟上の和解が成立し、その内容が和解調書に記載されると、その記載は確定判決と同一の効力を有する(民事訴訟法267条)。したがって訴訟は終了するとともに、和解調書は債務名義となるため、相手方が約束を履行しないときは改めて訴えを提起することなく強制執行を申し立てることができる。1は誤り。和解の成立により訴訟は当然に終了する。2は誤り。裁判外の和解は民法上の和解契約(民法695条)にすぎず、それ自体は債務名義とならないため、履行がなければ改めて訴えを提起するか、あらかじめ執行受諾文言のある公正証書を作成しておく必要がある。4は誤り。和解によって争いをやめることを約した当事者の一方が、争いの目的である権利を有していなかったことが証拠によって明らかになったとしても、その権利は和解によって当事者に移転しまたは消滅したものとされる(民法696条)。2級では、簡易裁判所に申し立てる起訴前の和解にも確定判決と同一の効力が認められる点をあわせて押さえておきたい。