【問155】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|立証責任
倒産処理と紛争の予防・解決 問15/20難易度B(標準)
問題文
AがBに対して貸金の返還を求める訴えを提起した。この訴訟における立証責任の分配に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.立証責任とは争いのある事実について当事者が証拠を提出すべき義務をいい、これを尽くさない当事者には裁判所により過料の制裁が科される。
- 2.金銭を交付した事実および返還の約束をした事実については、これを争うBの側でその不存在を立証しなければならない。
- 3.Bが既に弁済したと主張して争う場合には、Aの側で弁済がされていないことを立証しなければ、Aの請求は認められない。
- 4.金銭を交付した事実と返還の合意についてはAが、弁済その他の債務の消滅の事実についてはBが、それぞれ立証責任を負う。
解説
正解は4。立証責任(証明責任)とは、ある事実の存否が審理を尽くしてもなお真偽不明に終わった場合に、その事実を要件とする法律効果が認められないことによって一方の当事者が受ける不利益をいう。その分配は、権利の発生を基礎づける権利根拠事実については権利を主張する者が、権利の消滅や障害を基礎づける事実については相手方が負うという基準によって決まる。したがって金銭の交付と返還の合意については貸主Aが、弁済の事実については借主Bが立証責任を負う。1は誤り。立証責任は真偽不明の場合の不利益の負担を定めるものであり、証拠の提出を強制して制裁を科す制度ではない。2は誤り。請求原因事実の立証責任は原告にある。3は誤り。弁済は債務の消滅を基礎づける抗弁であり、これを主張するBが立証責任を負う。2級では、債務不履行における帰責事由の不存在や使用者責任における選任監督上の相当の注意など、立証責任が実質的に転換される場面もあわせて確認しておきたい。