【問148】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|双方未履行双務契約の処理
倒産処理と紛争の予防・解決 問8/20難易度C(難しい)
問題文
A社とB社が売買契約を締結したが、A社の商品引渡しもB社の代金支払も未了のうちにA社について破産手続開始の決定がされた。この契約の処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.A社の破産管財人は契約を解除することができるだけであり、契約の履行を選択してB社に対して代金の支払を請求することは認められていない。
- 2.A社の破産管財人が契約の履行を選択した場合、B社がA社に対して有する商品の引渡請求権は財団債権となり、破産手続によらずに弁済を受けられる。
- 3.B社は破産管財人に対して確答すべき旨を催告することができ、管財人が期間内に確答しないときは、契約を解除したものとみなされる。
- 4.A社の破産管財人が契約を解除した場合、B社が被った損害の賠償を求める債権は財団債権となり、他の破産債権に優先して弁済される。
解説
正解は2。双務契約について破産者およびその相手方が破産手続開始の時にいずれもまだ履行を完了していないときは、破産管財人は契約を解除するか、破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求するかを選択することができる(破産法53条1項)。管財人が履行を選択した場合、相手方が破産者に対して有する請求権は財団債権となり(破産法148条1項)、随時弁済を受けられる。1は誤り。管財人には解除と履行の選択権がある。3は誤り。相手方は相当の期間を定めて確答すべき旨を催告することができ、管財人がその期間内に確答をしないときは、解除権を放棄したものとみなされる(破産法53条2項)。4は誤り。管財人が解除した場合、相手方の損害賠償請求権は破産債権にとどまる(破産法54条1項)。2級では、民事再生法および会社更生法にも同趣旨の選択権の規定があること、賃借人が対抗要件を備えている賃貸借契約については管財人がこの規定により解除することができないことまで押さえたい。