【問147】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|倒産手続における相殺の制限
倒産処理と紛争の予防・解決 問7/20難易度C(難しい)
問題文
倒産手続における債権者の相殺権とその制限に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.破産債権者は、破産手続開始の時に破産者に対して債務を負担していた場合であっても、破産手続によらずに相殺をすることは一切できない。
- 2.破産債権者が破産手続開始後に破産財団に対して新たに債務を負担した場合であっても、両債権が相殺適状にある限り、破産手続によらずに相殺をすることができる。
- 3.破産債権者は破産手続によらずに相殺をすることができるが、支払不能であることを知りながら契約によって破産者に対する債務を負担した場合には相殺が禁止される。
- 4.民事再生手続では再生債権者はいつでも相殺をすることができ、債権届出期間が経過した後に相殺の意思表示をしても差し支えない。
解説
正解は3。破産債権者は破産手続開始の時に破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで相殺をすることができ(破産法67条1項)、相殺の担保的機能が手続内でも尊重されている。もっとも、支払不能になった後に契約によって破産者に対して債務を負担し、その負担の当時に支払不能であったことを知っていたときなどは、債権者間の平等を害するため相殺が禁止される(破産法71条1項)。1は誤り。相殺は原則として認められ、別除権と並ぶ有力な回収手段である。2は誤り。破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担した場合の相殺は禁止される。4は誤り。民事再生手続では、再生債権者は債権届出期間の満了前に相殺の意思表示をしなければならず(民事再生法92条1項)、破産手続と異なり行使の時期が制限される。2級では、破産法と民事再生法・会社更生法とで相殺権行使の時期的な制約が異なる点が狙われるので、比較して覚えておきたい。