【問145】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|破産者の免責
倒産処理と紛争の予防・解決 問5/20難易度B(標準)
問題文
破産者に対する免責許可の決定およびその効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.免責許可の決定が確定すると、破産者が債務を免れる結果として、破産債権者が破産者の保証人に対して有していた権利もあわせて消滅する。
- 2.免責の制度は法人にも適用され、法人が免責許可の決定を受けたときは、残った債務を免れたうえで法人格を存続させることができる。
- 3.免責不許可事由が一つでも認められる場合、裁判所は免責を許可することができず、必ず免責不許可の決定をしなければならない。
- 4.租税等の請求権や破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権については、免責許可の決定が確定しても責任を免れない。
解説
正解は4。免責許可の決定が確定しても、租税等の請求権、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、故意または重大な過失により人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権、婚姻費用や養育費など親族関係に係る請求権、雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権などは非免責債権とされ、破産者は責任を免れない(破産法253条1項各号)。1は誤り。免責は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利に影響を及ぼさない(同条2項)ため、債権者は保証人に対しては引き続き全額を請求できる。2は誤り。免責は自然人にのみ認められる制度であり、法人は破産手続の終了により消滅するため免責を観念する必要がない。3は誤り。免責不許可事由があっても、裁判所は破産に至った経緯その他一切の事情を考慮して裁量により免責を許可することができる。2級では、保証人や物上保証人の責任が免責によって左右されない点が繰り返し問われる。