【問144】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|別除権者の地位
倒産処理と紛争の予防・解決 問4/20難易度B(標準)
問題文
債権者BがA社所有の土地に抵当権の設定を受けていたところ、A社について破産手続開始の決定がされた。Bの地位に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Bが抵当権を実行するには破産管財人の同意を得る必要があり、同意が得られない場合には破産手続に参加して他の破産債権者と平等に配当を受けるほかない。
- 2.Bは破産手続によらずに抵当権を実行することができ、その実行によって弁済を受けることができなかった債権額についてのみ、破産債権者として権利を行使できる。
- 3.Bの抵当権は破産手続開始の決定によって効力を失い、Bの債権は全額が一般の破産債権として扱われることになる。
- 4.Bが目的物について有する権利は別除権ではなく取戻権であるから、Bは土地そのものを破産財団から取り戻すことができる。
解説
正解は2。破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権または抵当権を有する者は別除権者となり、その権利を破産手続によらないで行使することができる(破産法65条1項)。もっとも別除権者は、目的物の換価によって弁済を受けることができない債権額、すなわち不足額についてのみ破産債権者としてその権利を行使することができる(不足額責任主義、破産法108条1項)。1は誤り。別除権の行使に破産管財人の同意は必要でない。3は誤り。担保権は破産手続開始の決定によって当然に失効するものではなく、担保の実効性が手続内でも尊重される。4は誤り。取戻権は破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利であり、担保に供された破産者所有の財産には及ばない。2級では、譲渡担保や所有権留保も実質的に担保として別除権に準じた扱いを受けること、商事留置権が特別の先取特権とみなされる一方で民事留置権は破産財団に対して効力を失うことまで押さえておきたい。