【問143】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|破産債権と財団債権の区別
倒産処理と紛争の予防・解決 問3/20難易度B(標準)
問題文
A社について破産手続開始の決定がされ、Bが破産管財人に選任された。A社に対する各債権の取扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.A社の従業員がA社に対して有する給料債権は、その発生の時期を問わず、その全額が財団債権として随時弁済を受けられる。
- 2.破産管財人Bの報酬は破産財団から支出されるものであるが、破産債権者に対する配当がすべて終わった後に残余があるときに限り支払われる。
- 3.財団債権は破産債権に優先するものの、破産手続に参加して債権の届出をしたうえで、配当の手続によらなければ弁済を受けることができない。
- 4.破産手続開始前3か月間のA社の従業員の給料債権は財団債権となり、それより前の期間の給料債権は優先的破産債権として扱われる。
解説
正解は4。破産手続開始前3か月間の使用人の給料の請求権は財団債権とされ(破産法149条1項)、破産手続によらないで随時弁済を受けることができる。これに当たらない期間の給料債権は、一般の先取特権が及ぶ範囲で優先的破産債権として扱われ、一般の破産債権に先立って配当を受ける。1は誤り。給料債権であればその全額が財団債権となるわけではなく、期間による区別がある。2は誤り。破産管財人の報酬や破産財団の管理・換価・配当に関する費用は財団債権であり(破産法148条1項)、破産債権に先立って随時弁済される。3は誤り。財団債権は債権届出や配当手続を経ることなく随時弁済を受けられる点にこそ破産債権との最大の違いがある。2級では、労働債権や租税債権が財団債権となる部分と優先的破産債権にとどまる部分に分かれることまで問われるので、境界を意識して整理しておきたい。