【問142】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|破産手続の開始と破産管財人
倒産処理と紛争の予防・解決 問2/20難易度B(標準)
問題文
破産手続開始の原因および破産手続開始の決定の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.破産手続開始の原因は支払不能であるが、法人については債務超過も開始原因となり、債務者が支払を停止したときは支払不能にあるものと推定される。
- 2.破産手続開始の決定があっても破産者は破産財団に属する財産の管理処分権を失わず、破産管財人はその処分について同意を与える権限を有するにとどまる。
- 3.破産手続開始の申立てをすることができるのは債権者に限られ、債務者が自ら自己の破産手続開始を申し立てることは認められていない。
- 4.破産債権者は、破産手続開始の決定がされた後であっても、破産手続によらずに個別に強制執行をして自己の債権を回収することができる。
解説
正解は1。破産手続開始の原因は、債務者が支払不能にあること、すなわち弁済能力の欠乏により弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済することができない状態にあることである(破産法15条1項)。債務者が支払を停止したときは支払不能にあるものと推定される(同条2項)。また法人については債務超過も開始原因となる(破産法16条1項)。2は誤り。破産手続開始の決定により、破産財団に属する財産の管理処分権は破産管財人に専属する(破産法78条1項)。3は誤り。債権者のほか債務者自身も申立てができ、法人については取締役等による準自己破産の申立ても認められる。4は誤り。破産債権は破産手続によらなければ行使することができず(破産法100条1項)、破産財団に属する財産に対して既にされていた強制執行等も効力を失う。2級では、支払不能・支払停止・債務超過という三つの語の関係と、管理処分権が誰に帰属するかという効果面を正確に区別することが求められる。