【問137】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|債権者代位権の行使
債権の担保と回収 問17/20難易度B(標準)
問題文
債務者が第三債務者に対して有する権利を債権者が行使する債権者代位権について、最も適切なものはどれか。
- 1.債権者が代位権を行使した後は、債務者は被代位権利について自ら取立てその他の処分をすることができなくなる。
- 2.被代位権利が金銭の支払を目的とするものであるときは、債権者は第三債務者に対し自己への支払を請求できる。
- 3.債権者代位権は債務者の資力にかかわらず行使でき、債務者が無資力であることは要件とならない。
- 4.代位行使できる範囲は被代位権利の全額であり、自己の債権の額を超えて行使しても差し支えない。
解説
正解は2。被代位権利が金銭の支払または動産の引渡しを目的とするものであるときは、債権者は相手方に対し、その支払または引渡しを自己に対してすることを求めることができる(民法423条の3)。債権者は受領した金銭について自己の債権と相殺することができるため、事実上の優先弁済を受ける結果となり、これが債権者代位権が回収手段として用いられる理由である。
1は誤り。債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は自ら取立てその他の処分をすることを妨げられず、相手方も債務者に対して履行することができる(民法423条の5)。2020年施行の改正で明文化された点である。3は誤り。責任財産の保全を目的とする制度であるから、原則として債務者が無資力であることが要件となる。ただし登記請求権の代位行使のようないわゆる転用型では無資力要件は不要とされる。4は誤り。被代位権利が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ代位行使できる(民法423条の2)。
2級では、直接自己への支払を請求できる点と、債務者の処分権が失われない点という改正後の帰結が問われやすい。