【問136】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|代物弁済の法的性質
債権の担保と回収 問16/20難易度A(易しい)
問題文
債権者と債務者が本来の給付に代えて他の給付をする代物弁済について、最も適切なものはどれか。
- 1.代物弁済は債権者に目的物を引き渡してはじめて成立する要物契約であり、合意だけでは契約は成立しない。
- 2.代物弁済の目的物の価額は本来の債務の額と同額でなければならず、差額があるときは効力を生じない。
- 3.不動産を目的とする代物弁済では、所有権移転登記をしなくても引渡しによって債務は消滅する。
- 4.代物弁済契約は当事者の合意によって成立するが、債務消滅の効力は他の給付が現実にされた時に生じる。
解説
正解は4。民法482条は、弁済をすることができる者が債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は弁済と同一の効力を有すると定める。契約の成立自体は合意のみで足りる諾成契約であるが、債務消滅という効果が生じるのは現実に他の給付がされた時点である。
1は誤り。2020年施行の改正民法は代物弁済を諾成契約として整理しており、合意によって契約は成立する。2は誤り。代物として給付される物の価額が本来の債務額と一致する必要はなく、当事者が合意すれば足りる。3は誤り。不動産を代物弁済の目的とする場合には、債務消滅の効果が生じるには所有権移転登記など対抗要件を備えることが必要であると解されている。
2級では、契約の成立時期と債務消滅の効果発生時期が分かれることを押さえるとともに、代物弁済の予約が担保目的で用いられ、仮登記担保として規律される点にも注意したい。