【問133】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|留置権の成立と効力
債権の担保と回収 問13/20難易度A(易しい)
問題文
他人の物を占有する者に認められる留置権の成立要件と効力について、最も適切なものはどれか。
- 1.留置権者は留置物を競売し、その売却代金から他の債権者に優先して弁済を受ける権利を有する。
- 2.留置権者は債権の全部の弁済を受けるまで、留置物の全部について権利を行使することができる。
- 3.商人間の留置権も民事留置権と同様に、債権と留置する物との間の個別的な牽連性を必要とする。
- 4.占有が不法行為によって始まった場合であっても、占有者がその物に必要費を支出したときは留置権が成立する。
解説
正解は2。留置権には不可分性があり、留置権者は債権の全部の弁済を受けるまで留置物の全部について権利を行使することができる(民法296条)。債務の一部が弁済されても留置物の一部を返還する必要はない。
1は誤り。留置権には優先弁済的効力がなく、目的物を留置して債務者に心理的圧力を加えることで間接的に弁済を促す担保物権である。民事執行法上いわゆる形式的競売は認められるが、その代金から他の債権者に優先して配当を受けられるわけではない。3は誤り。商法上の留置権は、商人間の双方的商行為によって生じた債権が弁済期にあるときに、その債務者との間の商行為によって自己の占有に属した債務者所有の物や有価証券を留置できるものであり、債権と物との個別的な牽連性を要しない点で民事留置権と異なる。4は誤り。占有が不法行為によって始まった場合には留置権は成立しない(民法295条2項)。
2級では、留置権が優先弁済権をもたないという効力面の限界と、商事留置権との要件の違いを整理しておくことが得点につながる。