【問132】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|先取特権の種類と効力
債権の担保と回収 問12/20難易度B(標準)
問題文
商品を販売した売主が有する動産売買の先取特権をはじめとする先取特権について、最も適切なものはどれか。
- 1.先取特権は当事者間の合意によって設定される約定担保物権であり、設定契約書の作成が必要である。
- 2.動産売買の先取特権者は、買主が目的物を転売して取得した代金債権に物上代位することはできない。
- 3.動産売買の先取特権は、買主がその動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使できない。
- 4.一般の先取特権は債務者の総財産を目的とするが、使用人の給料など雇用関係から生じた債権はその対象に含まれない。
解説
正解は3。先取特権は、債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない(民法333条)。取引の安全を図る趣旨であり、動産売買の先取特権を実行するには目的物が買主の手元にあるうちに動く必要がある。
1は誤り。先取特権は法律が定める一定の債権について当然に成立する法定担保物権であり(民法303条)、当事者の合意を要しない。2は誤り。先取特権者は、目的物の売却によって債務者が受けるべき金銭に対しても権利を行使できるため(民法304条1項)、転売代金債権への物上代位が実務上の重要な回収手段となる。ただし払渡しまたは引渡しの前に差押えをしなければならない。4は誤り。雇用関係によって生じた債権は一般の先取特権によって担保される(民法306条2号、308条)。一般の先取特権には、ほかに共益の費用、葬式の費用、日用品の供給から生じた債権がある。
2級では、動産売買の先取特権が第三取得者への引渡しによって追及できなくなる点と、物上代位による回収の可否をセットで問われやすい。