【問130】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|動産質と債権質の効力
債権の担保と回収 問10/20難易度B(標準)
問題文
動産質および債権を目的とする質権の設定と効力について、最も適切なものはどれか。
- 1.動産質権者が質物の占有を第三者に奪われた場合、質権に基づく返還請求によって質物を回復することができる。
- 2.質権の設定は目的物を債権者に引き渡すことによって効力を生じ、占有改定による引渡しでは足りない。
- 3.債権を目的とする質権を第三債務者に対抗するには、確定日付のある証書による通知が必要である。
- 4.商行為によって生じた債権を担保する場合であっても、弁済期前に質物の所有権を取得する契約は一切許されない。
解説
正解は2。質権の設定は債権者に目的物を引き渡すことによって効力を生じる要物契約であり(民法344条)、質権者は質権設定者に自己に代わって質物を占有させることができない(民法345条)。そのため、設定者が引き続き占有する占有改定による引渡しでは質権は成立しない。占有を債権者に移すことで設定者に心理的圧力を加える点に質権の特徴がある。
1は誤り。動産質権者は、質物の占有を奪われたときは占有回収の訴えによってのみ質物を回復することができる(民法353条)。2は正しい。3は誤り。債権質を第三債務者に対抗するには第三債務者への通知または第三債務者の承諾で足り、確定日付のある証書が必要となるのは第三債務者以外の第三者に対抗する場合である(民法364条、467条)。4は誤り。民法349条は流質契約を禁止するが、商行為によって生じた債権を担保するために設定された質権については商法上その適用が排除されている。
2級では、質権が占有を要する担保であることから導かれる帰結、すなわち動産質の対抗要件が継続占有であることまで押さえておきたい。