【問128】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|法定地上権の成立
債権の担保と回収 問8/20難易度C(難しい)
問題文
Aは自己所有の甲土地上に自己所有の乙建物を有していたが、甲土地のみにB銀行のために抵当権を設定した。その後抵当権が実行され、Cが甲土地を買い受けた。この場合の法定地上権について、最も適切なものはどれか。
- 1.土地のみに抵当権が設定された事案では法定地上権は成立せず、AはCの請求により乙建物を収去しなければならない。
- 2.法定地上権が成立するかどうかは、競売の時点で土地と建物が同一人の所有であったかどうかによって決まる。
- 3.抵当権設定当時に甲土地と乙建物が同一の所有者に属していたため、乙建物のために法定地上権が成立する。
- 4.法定地上権は当事者の合意によって成立するものであり、あらかじめ特約で排除しておくこともできる。
解説
正解は3。法定地上権は、抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること、その土地と建物が同一の所有者に属すること、土地または建物の一方もしくは双方に抵当権が設定されたこと、そして競売によって土地と建物の所有者が異なるに至ったことという要件を満たす場合に成立する(民法388条)。本事例はいずれの要件も満たすため、乙建物のために法定地上権が成立し、Aは引き続き甲土地を利用できる。
1は誤り。土地のみに抵当権が設定された場合こそ法定地上権の典型例であり、建物収去義務は生じない。2は誤り。同一の所有者に属することが要求されるのは抵当権設定当時であり、設定後に土地と建物の所有者が分かれても法定地上権の成立は妨げられない。4は誤り。法定地上権は建物の存続を図る趣旨から法律上当然に成立するものであり、当事者の特約で排除することはできない。
2級では、更地に抵当権を設定した後で建物を建てた場合には法定地上権が成立しないという対比まで押さえ、抵当権者が把握した担保価値との関係で結論を説明できるようにしたい。