【問127】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|抵当権の効力の範囲と物上代位
債権の担保と回収 問7/20難易度B(標準)
問題文
抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲および物上代位について、最も適切なものはどれか。
- 1.土地に設定された抵当権の効力は、抵当権設定後にその土地上に築造された建物にも当然に及ぶ。
- 2.抵当権を設定すると、設定者は目的不動産を使用収益することができなくなり、これを抵当権者に引き渡さなければならない。
- 3.抵当権の効力は抵当不動産に付加して一体となっている物には及ばず、主物そのものにのみ及ぶ。
- 4.抵当権者は目的不動産の賃料債権にも物上代位できるが、その払渡し前に差押えをしなければならない。
解説
正解は4。抵当権者は、目的物の売却、賃貸、滅失または損傷によって抵当権設定者が受けるべき金銭その他の物に対しても抵当権を行使できるが、その払渡しまたは引渡しの前に差押えをしなければならない(民法372条が準用する304条1項)。賃料債権も物上代位の対象となると解されており、収益物件からの回収手段として実務上重要である。
1は誤り。土地と建物は別個の不動産であるから、土地の抵当権の効力は建物には及ばない。なお更地に抵当権を設定した後に建物が築造された場合、抵当権者は土地とともにその建物を競売できるが、優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみである(一括競売、民法389条1項)。2は誤り。抵当権は目的物の占有を設定者にとどめる非占有担保であり、設定者は引き続き使用収益できる(民法369条1項)。3は誤り。抵当権の効力は、抵当地の上に存する建物を除き、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ(民法370条)。
2級では、抵当権の及ぶ物的範囲と、物上代位における差押えの要否および対象債権の種類が繰り返し問われる。