【問96】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|電子帳簿保存法の保存要件
情報の管理・活用とデジタル社会 問16/20難易度C(難しい)
問題文
取引先とメールで請求書をやり取りする事業者の記録の保存について、電子帳簿保存法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.電子取引の取引情報は、紙に出力して保存すれば電磁的記録を保存しなくてもよい。
- 2.電磁的記録の保存要件を満たすには、タイムスタンプの付与以外の方法は認められていない。
- 3.電子データで契約書を作成した場合も、紙の契約書と同様に印紙税の課税対象となる。
- 4.電子取引の取引情報は電磁的記録のまま保存し、検索機能等の要件を満たす必要がある。
解説
正解は4。電子帳簿保存法は、所得税法・法人税法上の保存義務者が電子取引を行った場合には、その取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと定め、真実性の確保と可視性の確保という二つの要件を課している。可視性の確保には、ディスプレイ等の見読可能装置およびシステム概要書の備付けのほか、取引年月日・取引金額・取引先による検索機能の確保が含まれる。
1は誤り。令和3年度の税制改正により、電子取引の取引情報を書面に出力して保存する方法は原則として認められなくなった。現在は、保存要件に従って保存できなかったことに相当の理由があり、税務調査の際に電磁的記録のダウンロードの求めと出力書面の提示・提出に応じられる場合に限って要件を不要とする猶予措置が置かれている。
2は誤り。真実性の確保は、タイムスタンプの付与のほか、訂正・削除の履歴が残るシステムの利用や、訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用することによっても満たすことができる。
3は誤り。電磁的記録による契約は課税文書の作成に当たらないと解されており、印紙税は課されない。これが電子契約導入の代表的なコストメリットである。
2級では、電子化に際して法務面(成立・証拠力)と税務面(保存要件)を同時に検討する必要があることを押さえたい。