【問89】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|漏えい等の報告義務と本人通知
情報の管理・活用とデジタル社会 問9/20難易度B(標準)
問題文
不正アクセスにより顧客の個人データが外部に流出した事業者がとるべき対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.不正の目的による行為が疑われる漏えいは、人数の多少にかかわらず委員会への報告対象となる。
- 2.委員会への報告は最終的な確報を一度提出すれば足り、事態を把握した段階での速報は不要である。
- 3.本人への通知は、通知が困難な場合であっても、公表等の代替措置に置き換えることはできない。
- 4.委託先で生じた漏えいは、委託先のみが報告義務を負い、委託元は報告を要しない。
解説
正解は1。個人情報保護委員会規則は、報告を要する事態として、要配慮個人情報が含まれる漏えい等、不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等、および千人を超える漏えい等を定めている。不正アクセスや従業者による意図的な持出しは三番目の類型に当たり、対象人数を問わず報告義務が生じる。
2は誤り。報告は速報と確報の二段階で行う。事態を知った後速やかに速報を提出し、原則として三十日以内(不正の目的をもって行われた行為による場合は六十日以内)に確報を提出する。
3は誤り。本人への通知が困難な場合であって、公表や問合せ窓口の設置など本人の権利利益を保護するために必要なこれに代わるべき措置をとるときは、通知を要しない(26条2項)。
4は誤り。委託元も委託先も報告義務を負うのが原則であり、委託先が委託元に当該事態を通知したときに委託先の報告義務が免除される仕組みである(26条1項ただし書)。
2級では、報告要否の判断に加えて、委託契約における事故発生時の即時通知条項や、取引先への説明責任まで意識した対応が問われる。