【問63】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不退去・退去妨害と困惑
消費者取引と広告・表示の法規制 問3/20難易度B(標準)
問題文
自宅を訪れた販売員が退去を求められても長時間居座り、困惑した消費者が契約を締結した場合の法律関係として、最も適切なものはどれか。
- 1.消費者は困惑を理由に意思表示を取り消すことができるが、その取消しは善意でかつ過失がない第三者には対抗できない。
- 2.不退去による勧誘を受けて締結された契約は当然に無効となるから、消費者はいつでも支払済みの代金の返還を請求できる。
- 3.取消しが認められるためには、勧誘の内容に事実と異なる説明が含まれていたことが必要である。
- 4.消費者が退去を求める意思を示していなくても、勧誘が長時間に及べば当然に取消しが認められる。
解説
正解は1。消費者契約法4条3項1号は、消費者が勧誘の場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず事業者が退去しないこと(不退去)により消費者が困惑して申込みまたは承諾の意思表示をした場合に、取消しを認めている。もっとも、同条6項により、この取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。2は誤り。効果は取消しであって当然無効ではなく、取消権を行使してはじめて契約は初めから無効であったものとみなされる。3は誤り。困惑類型は誤認類型と異なり、告げられた内容の真偽を問わない。4は誤り。消費者が退去してほしい旨の意思を示したことが要件であり、単に勧誘が長時間に及んだだけでは足りない。消費者が退去する旨の意思を示したのに帰してもらえない退去妨害(同項2号)のほか、退去困難な場所への同行や相談の連絡の妨害も困惑類型として追加されており、類型ごとの要件の違いが2級での問われどころとなる。