【問50】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|差別対価と取引条件の差別取扱い
企業間取引の法規制 問10/20難易度C(難しい)
問題文
取引先ごとに異なる価格や取引条件を設定する行為に対する独占禁止法上の規制について、最も適切なものはどれか。
- 1.取引先によって販売価格に差が生じている場合には、その差が取引数量や配送に要する費用の違いによるものであっても差別対価にあたる。
- 2.取引数量や物流費の違いなど合理的な理由に基づく価格差は差別対価にあたらず、競争者を排除する目的で不当に価格差を設ける場合に問題となる。
- 3.差別対価は独占禁止法が定める法定類型としてのみ規制されており、一般指定には差別対価に関する規定は置かれていない。
- 4.価格以外の取引条件について取引先を差別的に取り扱う行為は、対価に関する差別ではないため独占禁止法上の規制対象とはならない。
解説
正解は2。独占禁止法2条9項2号は、不当に、地域または相手方により差別的な対価をもって継続して商品もしくは役務を供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものを不公正な取引方法としている。問題とされるのは価格差そのものではなく、それが競争を歪めるおそれがある場合であり、取引数量の違いや物流費の差など合理的なコスト差に基づく価格差は違法とはならない。1は誤り。合理的理由のある価格差は許容される。3は誤り。法定類型に該当しない差別的な対価による供給は一般指定3項の差別対価として規制される。4は誤り。一般指定4項が取引条件等の差別取扱いを、5項が事業者団体における差別取扱い等をそれぞれ定めており、価格以外の条件についての差別も規制される。2級では、差別的な取扱いが直ちに違法となるのではなく、公正競争阻害性の有無によって判断されること、および法定類型と一般指定の役割分担を押さえたい。