【問49】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不当廉売の要件とコスト基準
企業間取引の法規制 問9/20難易度A(易しい)
問題文
小売業者C社が特定の商品を仕入価格を下回る価格で継続して販売した場合における不当廉売の成否について、最も適切なものはどれか。
- 1.供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合に、不当廉売として違法となる。
- 2.販売価格が仕入価格を下回っている以上、販売期間の長短や他の事業者に与える影響を問うまでもなく不当廉売として違法となる。
- 3.生鮮食料品を鮮度が落ちる前に処分するために値下げする行為も、原価を下回る価格である限り正当な理由のない廉売にあたる。
- 4.不当廉売は消費者にとって有利な行為であるから、独占禁止法上は不公正な取引方法として規制の対象とはされていない。
解説
正解は1。独占禁止法2条9項3号は、正当な理由がないのに、商品または役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものを不公正な取引方法としている。ここでいう供給に要する費用を著しく下回る対価とは、総販売原価を下回るだけでなく、供給すればするほど損失が拡大する水準、すなわち可変的性質をもつ費用を下回る価格をいうと解されている。2は誤り。仕入価格を下回る販売がすべて違法となるわけではなく、コスト水準に加えて供給の継続性と、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれが必要である。3は誤り。生鮮食料品の見切り販売や季節商品の処分など、廉売に正当な理由が認められる場合には違法とはならない。4は誤り。不当廉売は法定類型として明文で規制されており、繰り返し違反の場合には課徴金の対象ともなる。2級では、廉売の程度、継続性、他の事業者への影響という三つの要素を事例にあてはめて判断できるようにしたい。