【問48】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|優越的地位の濫用の判断枠組み
企業間取引の法規制 問8/20難易度B(標準)
問題文
大規模小売業者B社が納入業者に対して行った要請について、優越的地位の濫用の成否を検討する場合の考え方として、最も適切なものはどれか。
- 1.優越的地位が認められるためには、B社が当該市場において市場支配的地位を有していることが必要である。
- 2.納入業者が要請に応じることを承諾している場合には、その内容が著しく不利益なものであっても優越的地位の濫用は成立しない。
- 3.自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える行為は、優越的地位の濫用にあたる。
- 4.優越的地位の濫用にあたる行為が認められたとしても、それは一般指定に定められた行為類型であるため、課徴金納付命令の対象とはならない。
解説
正解は3。独占禁止法2条9項5号は、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、継続して取引する相手方に取引に係る商品以外の商品を購入させること、自己のために金銭や役務その他の経済上の利益を提供させること、受領拒否、返品、支払遅延、代金の減額その他相手方に不利益となるように取引条件を設定し、もしくは変更し、または取引を実施することを不公正な取引方法としている。1は誤り。ここでいう優越とは、相手方にとって著しく不利益な要請であっても受け入れざるを得ない関係にあれば足り、市場支配的地位までは必要でない。2は誤り。形式的に承諾していても、取引の継続が困難になることを懸念してやむを得ず受け入れたと認められる場合には濫用にあたりうる。4は誤り。優越的地位の濫用は法定類型であり、20条の6により課徴金納付命令の対象となる。2級では、下請法が資本金区分という形式基準で適用されるのに対し、優越的地位の濫用は個別の取引関係に即して判断される点の違いが問われる。