【問43】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不当な取引制限の成立要件
企業間取引の法規制 問3/20難易度B(標準)
問題文
カルテルや入札談合を規制する不当な取引制限の成立要件について、最も適切なものはどれか。
- 1.不当な取引制限は事業者が他の事業者と共同して相互にその事業活動を拘束することにより成立し、明示の合意書面がなくても意思の連絡があれば足りる。
- 2.価格カルテルは合意した価格が現実に市場で実現された場合にはじめて成立するものであり、合意がされたにとどまる段階では規制の対象とならない。
- 3.入札談合は発注者側の職員が関与した場合には官製談合防止法だけが適用され、談合に参加した事業者に独占禁止法が適用されることはない。
- 4.不当な取引制限に違反した事業者に対しては課徴金納付命令が行われるにとどまり、その役員や従業員が刑事責任を問われることはない。
解説
正解は1。独占禁止法2条6項は、不当な取引制限を、事業者が契約、協定その他何らの名義をもってするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、もしくは引き上げ、または数量、技術、製品、設備もしくは取引の相手方を制限するなど相互にその事業活動を拘束し、または遂行することにより、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限することと定義する。相互拘束の中核は事業者間の意思の連絡であり、契約書などの形式は必要でない。2は誤り。合意すなわち相互拘束が成立した時点で違反となり、合意内容の実行や価格の実現は成立要件ではない。3は誤り。官製談合防止法は発注機関の職員による関与行為を対象とする法律であり、談合に参加した事業者には独占禁止法3条後段が適用される。4は誤り。同法89条は私的独占または不当な取引制限をした者を5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に処すると定めており、課徴金と刑事罰は併存しうる。2級では、合意の成立時点と実行行為の区別、行政上の措置と刑事罰の関係が問われる。