【問42】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|排除型私的独占と支配型の区別
企業間取引の法規制 問2/20難易度B(標準)
問題文
排除型私的独占と支配型私的独占の区別および私的独占の成立要件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.私的独占が成立するためには、行為者が当該市場において五割を超える市場シェアを有していることが法律上の要件とされている。
- 2.支配型私的独占は、株式の取得や役員の兼任といった資本関係を通じて他の事業者を支配する場合に限られ、取引上の力関係を背景とする支配はこれに含まれない。
- 3.私的独占は他の事業者の事業活動を排除する行為だけを対象とするものであり、他の事業者を支配する行為は不当な取引制限として規制される。
- 4.私的独占は、他の事業者の事業活動を排除しまたは支配することにより一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為をいい、単独の行為も規制される。
解説
正解は4。独占禁止法2条5項は、私的独占を、事業者が単独にまたは他の事業者と結合し、もしくは通謀するなどいかなる方法をもってするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除しまたは支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することと定義し、3条前段がこれを禁止している。単独の事業者による行為も対象となり、排除型と支配型の双方が含まれる。1は誤り。市場シェアの数値基準は法定されておらず、行為者の市場における地位、行為の態様、参入障壁の程度などを総合して競争の実質的制限が判断される。2は誤り。支配の手段は問われず、取引上の優越した力を背景として他の事業者の事業活動を意のままにする場合も支配にあたる。3は誤り。排除も支配もいずれも私的独占の行為類型であり、不当な取引制限は他の事業者と共同して相互に事業活動を拘束する行為を指す別の類型である。2級では、私的独占が競争の実質的制限という強い効果要件を必要とする点を、公正競争阻害性で足りる不公正な取引方法と対比して押さえておきたい。