【問39】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|営業秘密の三要件
企業財産の管理と法務 問19/20難易度B(標準)
問題文
不正競争防止法によって保護される営業秘密に当たるための要件について、最も適切なものはどれか。
- 1.情報が客観的に事業活動にとって有用でありさえすれば、社内で秘密として管理されていなくても営業秘密として保護される。
- 2.営業秘密として保護されるためには、あらかじめ特許庁に登録して公示しておくことが必要である。
- 3.過去の実験で失敗した記録は事業活動の役に立たないため、有用性の要件を満たすことはない。
- 4.営業秘密に当たるためには、秘密管理性、有用性および非公知性の三つの要件を常にすべて満たす必要がある。
解説
正解は4。不正競争防止法は、営業秘密を、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものと定義する。ここから、秘密管理性・有用性・非公知性という三つの要件が導かれ、いずれか一つでも欠ければ営業秘密として保護されない。
1は誤り。実務上最も争われるのが秘密管理性であり、アクセスできる者の限定やマル秘表示、就業規則・秘密保持契約による管理などによって、保有者の秘密管理意思が従業者等に対して明確に示され、認識できる状態にあることが必要である。2は誤り。営業秘密の保護に登録や公示の制度はなく、要件を満たせば当然に保護される。この点が設定登録によって権利が発生する特許権や商標権と根本的に異なる。3は誤り。失敗した実験データのようないわゆるネガティブインフォメーションも、無駄な研究開発を避けられるという意味で事業活動に有用であり、有用性が認められうる。他方、脱税や有害物質の不法投棄に関する情報など公序良俗に反する情報は有用性が否定される。4は正しい。
営業秘密が侵害された場合、差止請求や損害賠償請求のほか、刑事罰の対象となることもある。