【問36】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|商標権の識別力と更新登録
企業財産の管理と法務 問16/20難易度B(標準)
問題文
飲食店を営むP社が新たに商標登録を検討している事例をふまえ、商標登録の要件と商標権の存続に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 1.商品の産地や品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標は、長年の使用によって需要者に広く認識されるに至った場合であっても、登録を受けることはできない。
- 2.商標権の存続期間は設定登録の日から10年であり、更新登録の申請をすることができる回数は2回までに限られる。
- 3.商標登録出願にあたっては、その商標を使用する商品または役務を必ず指定しなければならない。
- 4.他人の登録商標と同一の商標を出願前から使用していた者は、周知性がなくても当然に使用を継続する権利を有する。
解説
正解は3。商標法は、商標登録出願をしようとする者に対し、商標の使用をする一または二以上の商品または役務を指定することを求めている。商標権の効力は指定商品・指定役務の範囲に及ぶため、P社としては、飲食物の提供という役務のほか、将来の物販も見据えて食品等の商品を指定するかどうかを検討する必要がある。
1は誤り。産地や品質等を普通に用いられる方法で表示する記述的商標は原則として登録を受けられないが、使用の結果、需要者が何人かの業務に係る商品または役務であることを認識することができるようになった場合には登録を受けることができる(使用による識別力の獲得)。2は誤り。商標権の存続期間は設定登録の日から10年であるが、更新登録の申請により何度でも更新することができ、回数に制限はない。半永久的に権利を維持できる点が特許権等と大きく異なる。3は正しい。4は誤り。商標法上の先使用権が認められるためには、他人の出願前から不正競争の目的なく使用しており、かつその出願の際に需要者の間に広く認識されていること(周知性)が必要である。
なお登録商標を継続して3年以上使用していないときは、不使用取消審判により登録が取り消されることがある点も押さえておきたい。