【問33】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|専用実施権と通常実施権
企業財産の管理と法務 問13/20難易度C(難しい)
問題文
特許発明の実施許諾(ライセンス)における専用実施権と通常実施権の違いについて、最も適切なものはどれか。
- 1.専用実施権は当事者間の契約のみによって効力を生じ、特許庁への登録は効力発生の要件ではない。
- 2.専用実施権を設定した場合であっても、特許権者はその設定した範囲内で自ら特許発明を実施することができる。
- 3.通常実施権者は、契約において独占的な実施を約していれば、当然に自己の名で侵害者に対する差止請求をすることができる。
- 4.通常実施権は、その発生後に特許権を取得した者に対しても、登録がなくてもその効力を主張することができる。
解説
正解は4。特許法99条は、通常実施権は、その発生後にその特許権もしくは専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有すると定める。これは当然対抗制度と呼ばれ、通常実施権の登録がなくても、特許権が第三者に譲渡された場合にライセンシーは実施を継続することができる。かつて必要とされていた登録が不要となり、ライセンシーの地位が安定した。
1は誤り。専用実施権は登録をしなければ効力を生じない。設定登録が効力発生要件とされている点が通常実施権との大きな違いである。2は誤り。専用実施権者は設定行為で定めた範囲内で業として特許発明の実施をする権利を専有するため、その範囲では特許権者自身も実施をすることができなくなる。3は誤り。差止請求権が認められるのは専用実施権者であり、契約上独占的な地位を与えられた通常実施権者(独占的通常実施権者)であっても、その地位は債権的なものにとどまるため、自己の名で差止請求をすることは原則としてできない。4は正しい。
2級では、独占性の有無・登録の要否・差止請求の可否という三つの軸で両者を比較し、ライセンス契約でどちらを選ぶべきかを判断できるようにしておきたい。