【問30】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|特許発明の新規性と進歩性
企業財産の管理と法務 問10/20難易度B(標準)
問題文
特許を受けることができる発明の要件のうち、新規性および進歩性に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 1.出願前に日本国内で公然と実施されていた発明であっても、外国で知られていなければ新規性は失われない。
- 2.進歩性とは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が発明の内容を理解することができることをいう。
- 3.自然法則そのものや、経済法則のように自然法則を利用していない人為的な取決めであっても、高度な内容であれば特許の対象となる。
- 4.出願人自身が学会で発表したことにより新規性を失った発明であっても、所定の要件の下で救済される場合がある。
解説
正解は4。特許法29条1項は、出願前に公然と知られ、公然実施をされ、または頒布された刊行物に記載される等した発明は特許を受けることができないと定める。もっとも、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を失った場合には、その日から1年以内に出願し所定の手続をとることで、新規性を喪失しなかったものとみなされる(新規性喪失の例外)。学会発表や自社製品の先行販売による自己開示が典型例である。
1は誤り。新規性の判断は世界を基準とするため、外国で公然と知られ、または公然実施をされた発明も新規性を失う。まして日本国内で公然実施されていれば新規性はない。2は誤り。進歩性とは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、出願前の公知技術に基づいて容易に発明をすることができなかったことをいう(特許法29条2項)。内容を理解できるかどうかの問題ではない。3は誤り。特許法上の発明は自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいい、自然法則そのものや、これを利用しない人為的な取決めは発明に当たらない。4は正しい。
2級では、産業上の利用可能性・新規性・進歩性という三つの特許要件を、事例ごとに切り分けて判断できることが求められる。