【問29】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|占有権と占有の訴え
企業財産の管理と法務 問9/20難易度C(難しい)
問題文
占有権の効力および占有の訴え(占有訴権)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定されるが、所有の意思や善意については推定されない。
- 2.占有を奪われた占有者は、占有回収の訴えにより、その物の返還および損害の賠償を請求することができる。
- 3.占有の訴えに対しては、相手方は自己が所有者であることを理由として反論し、占有の訴えを排斥することができる。
- 4.善意の占有者であっても、占有物から生じた果実はそのすべてを回復者に返還しなければならない。
解説
正解は2。民法200条1項は、占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還および損害の賠償を請求することができると定める。占有訴権には、このほか妨害の停止等を求める占有保持の訴え、妨害の予防等を求める占有保全の訴えがあり、いずれも本権の有無を問わず、事実状態としての占有そのものを保護して自力救済を禁ずる制度である。占有回収の訴えは占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない。
1は誤り。占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏かつ公然に占有をするものと推定される(民法186条1項)。占有物について行使する権利の適法性の推定(民法188条)とあわせて押さえたい。2は正しい。3は誤り。占有の訴えについては本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない(民法202条2項)。所有権を主張する相手方は、別に本権の訴えを提起すべきである。4は誤り。善意の占有者は占有物から生ずる果実を取得することができる(民法189条1項)。果実の返還義務を負うのは悪意の占有者であり、既に消費した果実についても代価を償還しなければならない(民法190条)。