【問28】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|地上権と地役権
企業財産の管理と法務 問8/20難易度A(易しい)
問題文
他人の土地を利用するための用益物権である地上権および地役権について、最も適切なものはどれか。
- 1.地上権は債権であるから、これを第三者に譲渡するには土地所有者の承諾を得なければならない。
- 2.地役権は、要役地の所有権とは切り離して、要役地と別に第三者へ譲渡することができる。
- 3.地上権は、工作物または竹木を所有するために他人の土地を使用する物権である。
- 4.地役権は自己の土地の便益のために他人の土地を利用する権利であるが、その設定にあたっては必ず対価としての地代を定めなければならない。
解説
正解は3。民法265条は、地上権者は他人の土地において工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有すると定める。地上権は物権であるため、土地所有者の承諾がなくても譲渡や賃貸をすることができ、地上権者は設定者に対して登記手続に協力するよう請求することもできる。この点で、債権である土地賃借権と効果が大きく異なる。
1は誤り。地上権は債権ではなく物権であり、譲渡に土地所有者の承諾は不要である。承諾が必要とされるのは賃借権の譲渡・転貸である(民法612条)。2は誤り。地役権は要役地の所有権に従たる権利であり、要役地の所有権が移転すればこれに伴って移転し、要役地から分離して譲渡することはできない(民法281条)。これを地役権の付従性という。3は正しい。4は誤り。地役権は設定行為で定めた目的に従い他人の土地を自己の土地の便益に供する権利であって、対価の定めは成立要件ではなく、無償で設定することもできる。地上権における地代についても同様である。
2級では、実務上多く用いられる土地賃借権と地上権とを、譲渡性・登記請求権の有無という観点から比較して整理しておきたい。