【問26】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|共有物の管理行為と変更行為
企業財産の管理と法務 問6/20難易度B(標準)
問題文
A・B・Cが持分各3分の1の割合で建物を共有している事例において、共有物の変更・管理・保存に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 1.Aは、共有建物を不法に占拠している第三者に対し、保存行為として単独で明渡しを請求することができる。
- 2.共有建物の形状または効用の著しい変更を伴う増改築であっても、持分の価格の過半数の賛成があれば行うことができる。
- 3.Aは、他の共有者であるBおよびCの同意を得なければ、自己の持分を第三者に譲渡することができない。
- 4.共有建物を第三者に対して3年を超えない期間で賃貸する場合には、共有者全員の同意を得なければ賃貸することができない。
解説
正解は1。共有物の保存行為は各共有者が単独ですることができる(民法252条5項)。判例は、共有物を不法に占拠する第三者に対する明渡請求や妨害排除請求を保存行為と解しており、共有者の一人であるAは、単独で建物全部の明渡しを求めることができる。
1は正しい。2は誤り。共有物に変更を加える行為のうち、その形状または効用の著しい変更を伴うものについては、他の共有者全員の同意が必要である(民法251条1項)。持分の価格の過半数で決することができるのは、管理に関する事項および著しい変更を伴わない軽微な変更にとどまる。3は誤り。持分は各共有者に帰属する独立の権利であり、他の共有者の同意を得ることなく自由に譲渡することができる。4は誤り。建物の賃借権で存続期間が3年を超えないものの設定は、管理に関する事項として持分の価格の過半数で決することができる(民法252条4項)。土地の賃借権は5年、動産の賃借権は6か月が上限とされている。
2級では、問題となる行為を保存・管理・変更のいずれに振り分けるかを判断し、そこから必要な同意の範囲を導けるかが問われる。