【問24】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|動産の即時取得
企業財産の管理と法務 問4/20難易度B(標準)
問題文
Aから絵画を預かって保管していたBが、これを自己の所有物であると偽ってCに売却した事例をもとに、動産の即時取得について最も適切なものはどれか。
- 1.Cが即時取得の要件を満たすためには、Bが無権利者であることをCが知らず、かつ知らないことについて重大な過失がなければ足りる。
- 2.Cが絵画の引渡しを占有改定の方法によって受けた場合であっても、即時取得は直ちに成立する。
- 3.Cが平穏かつ公然に、善意無過失で絵画の占有を取得したときは、Cは即時に絵画の所有権を取得する。
- 4.この絵画がAの下から盗まれた物であった場合、Aは盗難の時から10年間はCに対して回復を請求することができる。
解説
正解は3。民法192条は、取引行為によって平穏かつ公然と動産の占有を始めた者が、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得すると定める。前主が無権利者であっても、動産の占有という外観を信頼した取得者を保護し、動産取引の安全を図る趣旨である。したがってCが要件を満たせば所有権を取得し、Aは所有権を失ってBに対する損害賠償等で処理することになる。
1は誤り。即時取得の主観的要件は善意かつ無過失であり、重大な過失がないというだけでは足りない。2は誤り。判例は、占有改定による占有取得では外形的な占有状態に変更がないことを理由に、即時取得の成立を認めていない。3は正しい。4は誤り。盗品または遺失物については、被害者または遺失者は盗難または遺失の時から2年間に限り占有者に回復を請求できる(民法193条)。なお占有者が競売や公の市場、同種の物を販売する商人から善意で買い受けたときは、代価を弁償しなければ回復を請求できない(民法194条)。
即時取得は動産に固有の制度であり、不動産には適用されない点も2級では重要である。