【問23】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不動産登記の効力と中間省略登記
企業財産の管理と法務 問3/20難易度C(難しい)
問題文
不動産登記の効力および中間省略登記の扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.日本の不動産登記には公信力がなく、無権利者を所有者と信じて買い受けた者は原則として所有権を取得できない。
- 2.登記には公信力が認められるため、登記名義人が真の所有者でない場合であっても、これを信じて買い受けた者は常に所有権を取得することができる。
- 3.すでに経由されている中間省略登記は、現在の実体的な権利関係に合致している場合であっても、当然に無効となる。
- 4.権利に関する登記は法律上の義務であるから、登記をしなければ売買による所有権移転の効力そのものが生じない。
解説
正解は1。日本の不動産登記制度において、登記は物権変動を公示し第三者に対抗するための要件(民法177条)にとどまり、登記の記載を信頼した者を保護する公信力までは認められていない。したがって、登記名義人が無権利者であった場合、これを信じて買い受けても原則として所有権を取得できず、真の所有者から明渡しを求められる。例外として、真の所有者に虚偽の外観を作り出した帰責性があるときに民法94条2項の類推適用により第三者が保護されることがあるにすぎない。
1は正しい。2は誤り。公信力が認められるのは動産の即時取得であり、不動産登記に公信力はない。3は誤り。判例は、すでにされた中間省略登記について、現在の実体的な権利関係に符合する限り有効とし、当然には抹消請求を認めない。もっとも現在の登記実務では登記原因証明情報の提供が必要とされ、中間省略登記の申請は原則として受理されない。4は誤り。権利に関する登記は原則として義務ではなく、登記がなくても当事者間では意思表示のみで所有権移転の効力が生じる(民法176条)。
2級では、対抗要件としての登記の役割と公信力の欠如を区別して理解しているかが問われる。