【問22】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不動産物権変動と対抗要件
企業財産の管理と法務 問2/20難易度B(標準)
問題文
Aが所有する土地をBに売却した後、Aが同じ土地をCにも売却した事例において、民法177条の第三者に関する記述として最も適切なものはどれか。
- 1.Bが登記を備える前であっても、Cが二重譲渡の事実を知っていれば、BはCに対して所有権の取得を対抗することができる。
- 2.Cが先に登記を備えた場合であっても、Bが先に売買代金の全額を支払っていれば、Bが確定的に所有権を取得する。
- 3.その土地を何らの権原もなく占有しているDは民法177条の第三者に当たるため、Bは登記を備えなければDに明渡しを求めることができない。
- 4.CがBを害する目的でAから買い受けた背信的悪意者である場合、Cは民法177条の第三者に当たらない。
解説
正解は4。民法177条にいう第三者とは、当事者およびその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいうと解されている。判例は、他人を害する目的をもって登記を経るなど信義則に反する事情のある背信的悪意者は、登記の欠缺を主張する正当な利益を欠くとして第三者から除外する。したがってBは登記がなくてもCに所有権の取得を対抗できる。
1は誤り。単に他人が先に物権を取得した事実を知っているにすぎない単純悪意者は第三者に当たる。自由競争の範囲内と考えられているためであり、Bは登記なしに対抗できない。2は誤り。代金の支払は対抗要件ではないから、先に登記を備えたCが所有権の取得を対抗できる。3は誤り。不法占拠者は登記の欠缺を主張する正当な利益を有せず第三者に当たらないので、Bは登記がなくても明渡しを請求できる。4は正しい。
2級では、悪意者・背信的悪意者・無権利者を区別し、登記なくして対抗できる相手かどうかを事例に当てはめる力が問われる。