【問21】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|物権と債権の基本的性質
企業財産の管理と法務 問1/20難易度A(易しい)
問題文
物権と債権の性質の違いおよび物権法定主義について、最も適切なものはどれか。
- 1.債権は特定の物を直接に支配する権利であるから、同一の物の上に内容の異なる複数の債権が併存して成立することはない。
- 2.物権は法律に定めるもののほか当事者が自由に創設することができず、この原則を物権法定主義という。
- 3.物権が侵害された場合であっても、明文の規定がない以上、物権に基づく妨害排除請求をすることは認められていない。
- 4.同一の不動産について売買契約が二重に締結された場合、先に契約を締結した買主が当然に所有権を確定的に取得する。
解説
正解は2。民法175条は、物権は民法その他の法律に定めるもののほか創設することができないと定めており、これを物権法定主義という。物権は特定の物を直接に支配する排他的な権利であって第三者にも主張できるため、その種類や内容を当事者が自由に作り出せるとすると、公示制度が機能せず取引の安全を害するからである。
1は誤り。特定の物を直接に支配するのは物権であり、債権は特定人に対して一定の行為を請求する権利である。債権には排他性がないため、同一の物について内容の異なる複数の債権(二重賃貸借など)が併存して成立しうる。2は正しい。3は誤り。物権は排他的な支配権であるから、明文の規定がなくても、返還請求権・妨害排除請求権・妨害予防請求権からなる物権的請求権が認められると解されている。4は誤り。不動産が二重に譲渡された場合、優劣は契約の先後ではなく登記の先後で決まり、先に登記を備えた者が所有権の取得を第三者に対抗できる(民法177条)。
2級では、物権と債権の性質の違いを、対抗要件の要否や物権的請求権の可否といった具体的な帰結に結びつけて説明できることが求められる。