【問17】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|定型約款のみなし合意と変更
企業取引・契約の法務 問17/20難易度C(難しい)
問題文
定型約款のみなし合意および約款の変更に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.定型約款準備者があらかじめ約款を契約の内容とする旨を表示していても、条項ごとの個別の同意がなければ拘束力は生じない。
- 2.相手方の義務を加重する条項のうち信義則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意をしなかったものとみなされる。
- 3.定型約款の変更は、変更が相手方の一般の利益に適合する場合であっても相手方全員の個別の同意を要する。
- 4.定型約款の内容の表示は請求の有無にかかわらず義務であり、これを怠ったときは約款全体が無効となる。
解説
正解は2。定型取引を行うことの合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、または定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときは、個別の条項についても合意をしたものとみなされる(民法548条の2第1項)。もっとも、相手方の権利を制限しまたは義務を加重する条項であって、取引の態様や実情、取引上の社会通念に照らして信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなされる(同条2項)。1は誤り。表示があればみなし合意が成立し、条項ごとの同意は不要である。約款による大量取引を可能とするための制度である。3は誤り。変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約をした目的に反せず、変更の必要性や変更後の内容の相当性などに照らして合理的であるときは、個別に相手方と合意することなく契約の内容を変更できる(民法548条の4第1項)。ただし効力発生時期を定めて周知することが必要である。4は誤り。内容の表示義務は相手方から請求があった場合の義務であり、定型取引合意の前に正当な事由なく請求を拒んだときはみなし合意の規定が適用されない(民法548条の3)。