【問15】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|委任における注意義務と任意解除
企業取引・契約の法務 問15/20難易度A(易しい)
問題文
委任契約における受任者の義務、報酬および解除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.受任者は、報酬を受ける旨の特約がある有償委任の場合に限り、善良な管理者の注意義務を負う。
- 2.受任者は、特約がない場合でも委任事務の処理に対する相当額の報酬を請求することができる。
- 3.委任は各当事者がいつでも解除でき、やむを得ない事由があれば不利な時期の解除でも賠償を要しない。
- 4.委任者が後見開始の審判を受けたときは、委任契約は終了し、受任者の権限も消滅する。
解説
正解は3。委任は各当事者がいつでもその解除をすることができる(民法651条1項)。相手方に不利な時期に解除したとき、または委任者が受任者の利益をも目的とする委任を解除したときは損害を賠償しなければならないが、やむを得ない事由があったときは賠償を要しない(同条2項)。当事者間の信頼関係を基礎とする契約であることから、広い任意解除権が認められている。1は誤り。受任者は、報酬の有無を問わず、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う(民法644条)。無報酬の受寄者が自己の財産に対するのと同一の注意で足りるとされるのと対比して押さえたい。2は誤り。受任者は特約がなければ委任者に報酬を請求することができず、報酬は後払いが原則である(民法648条)。もっとも、商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは相当の報酬を請求できる旨の商法の規定があるため、企業間取引では有償が通常となる。4は誤り。委任の終了事由は、委任者または受任者の死亡および破産手続開始の決定と、受任者が後見開始の審判を受けたことであり(民法653条)、委任者が後見開始の審判を受けても委任は終了しない。