【問12】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|損害賠償の範囲と過失相殺
企業取引・契約の法務 問12/20難易度B(標準)
問題文
債務不履行による損害賠償の範囲および過失相殺に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.債務不履行について債権者に過失があった場合でも、裁判所が損害賠償額を減額することはできない。
- 2.金銭債務の不履行による損害賠償については、債務者は不可抗力であることを証明して責任を免れることができる。
- 3.損害賠償の額をあらかじめ予定する当事者の合意は、債務者に不利益であるため無効である。
- 4.特別の事情によって生じた損害も、当事者がその事情を予見すべきであったときは賠償の範囲に含まれる。
解説
正解は4。債務不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることを目的とするが、特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者はその賠償を請求することができる(民法416条)。改正により、現実に予見したかどうかではなく、予見すべきであったかという規範的な判断であることが文言上明確にされた。1は誤り。債務の不履行または損害の発生もしくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の責任およびその額を定める(民法418条)。不法行為の過失相殺が額の減額を任意的に考慮するものであるのに対し、債務不履行では考慮が必要的であり、責任そのものを否定することもできる点が異なる。2は誤り。金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができず、債権者は損害の証明をすることも要しない(民法419条)。3は誤り。賠償額の予定をする合意は有効であり、違約金は賠償額の予定と推定される(民法420条)。もっとも、予定額が著しく過大な場合には公序良俗違反や消費者契約法による制限を受けることがある。