【問7】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|同時履行の抗弁権の効果
企業取引・契約の法務 問7/20難易度A(易しい)
問題文
双務契約における同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.相手方の債務がまだ弁済期にない場合であっても、自己の債務の履行を拒むことができる。
- 2.同時履行の抗弁権が付着している債務は、履行期を過ぎても直ちに履行遅滞の責任を生じない。
- 3.同時履行の抗弁権が付着している債権であっても、これを自働債権として相殺することは妨げられない。
- 4.訴訟において同時履行の抗弁が認められたときは、原告の請求は理由がないとして全部が棄却される。
解説
正解は2。双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる(民法533条)。この抗弁権が付着している間は履行しないことが違法とならないため、履行期を過ぎても履行遅滞による損害賠償責任を負わず、相手方は債務不履行を理由に契約を解除することもできない。相手方に遅滞責任を負わせるには、自己の債務の履行の提供をして抗弁権を消滅させる必要がある。1は誤り。相手方の債務がまだ弁済期にないときは同時履行の抗弁権を主張できない(民法533条ただし書)。先に履行する義務を負う者は、自己の債務を先に履行しなければならない。3は誤り。同時履行の抗弁権が付着する債権を自働債権として相殺を認めると、相手方から一方的に抗弁権を奪う結果となるため、このような相殺は認められないと解されている。4は誤り。同時履行の抗弁が認められた場合、裁判所は請求を棄却するのではなく、原告の給付と引換えに被告に給付を命ずる引換給付判決をする。改正により、履行に代わる損害賠償債務の履行も同時履行の対象となることが明文化された。