【問3】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|顕名と自己契約・双方代理の規律
企業取引・契約の法務 問3/20難易度B(標準)
問題文
代理行為における顕名および自己契約・双方代理の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.代理人が本人のためにすることを示さなかったときは、相手方の認識にかかわらず、その効果は本人に帰属する。
- 2.権限の定めのない代理人であっても、代理の目的である物の性質を変える処分行為を当然に行うことができる。
- 3.債務の履行についての双方代理は許されず、本人があらかじめ許諾していても代理行為は効力を生じない。
- 4.自己契約や双方代理にあたる行為は無権代理行為とみなされ、本人が追認すれば有効となる。
解説
正解は4。同一の法律行為について相手方の代理人としてした行為、または当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる(民法108条1項)。改正前は端的に禁止と規定されていたが、無権代理行為として扱われることが明文化されたため、本人が追認すればその効果は本人に帰属する(民法113条・116条)。1は誤り。代理人が顕名をしないでした意思表示は自己のためにしたものとみなされるのが原則であり、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときにはじめて本人に効果が帰属する(民法100条)。2は誤り。権限の定めのない代理人は、保存行為と、代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内の利用・改良行為をする権限しか有しない(民法103条)。3は誤り。債務の履行および本人があらかじめ許諾した行為は、108条1項ただし書により双方代理の制限を受けない。すでに確定した債務を履行するだけであれば新たな利益相反が生じないためである。企業実務では、親会社と子会社の双方を同一人が代表する取引などで本条の適用が問題となる。