【問168】管理業務主任者 練習問題|排水トラップの封水と破封の原因
建築設備 問8/25難易度B(標準)
問題文
甲マンションの空き住戸で長期間水を使用していなかった洗面化粧台の排水口から下水のにおいがするとの相談があり、管理組合理事長Cが管理業者Bの担当者に排水トラップの仕組みを尋ねた。担当者の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.排水トラップは排水管内の詰まりを防ぐための装置であり、封水と呼ばれる水をためることで悪臭や虫の侵入を防ぐものではないため、今回のにおいの原因はトラップの不具合とは全く関係がないと説明した。
- 2.一つの排水系統に二つのトラップを直列に設置する二重トラップは、封水を二重に確保できるため悪臭の防止に効果的であり、今回もトラップを追加で設置することを勧めると説明した。
- 3.封水が失われる原因は自己サイホン作用のみであり、これは器具を使用していない間には起こらない現象であるため、長期間使用していないことが今回のにおいの原因になることはないと説明した。
- 4.排水トラップは封水によって下水管からの臭気や虫の侵入を防ぐ役割を持つが、長期間水を使用しないと封水が蒸発して失われる破封が生じることがあり、これがにおいの原因である可能性が高いと説明した。
解説
正解は4。排水トラップは、器具の排水口の下に水をためる封水によって、下水管内の臭気や害虫が室内に侵入するのを防ぐ役割を担っている。封水が失われる破封の原因には、器具の排水時の勢いで封水が引き込まれる自己サイホン作用のほか、長期間水を流さないことで封水が徐々に蒸発してしまう蒸発、糸くずや毛髪などが排水口にひっかかり毛細管現象で封水が吸い出される毛細管現象などがある。長期間使用していない空き住戸の洗面化粧台で臭気がする場合、蒸発による破封が生じている可能性が高く、水を流して封水を張り直すことで解消できることが多い。1は誤り。排水トラップの主な役割は封水による臭気や虫の侵入防止であり、今回のにおいの原因と無関係とはいえない。2は誤り。一つの排水系統に二つのトラップを直列に設置する二重トラップは、トラップ間の空気が密閉されて排水の流れを阻害し、封水の破封を招くおそれがあるため設けてはならない。3は誤り。破封の原因は自己サイホン作用のほかにも蒸発や毛細管現象などがあり、長期間の未使用が原因となることもある。本試験では、封水の役割と破封の複数の原因を区別して覚えておきたい。