【問160】管理業務主任者 練習問題|修繕・改修・建替えの区別
建物の構造と維持保全 問20/20難易度B(標準)
問題文
築45年を経過した甲マンションの理事会では、建物の再生手法として修繕、改修、建替えのいずれを目指すかを検討している。これらの再生手法の区別に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.修繕とは、建物の性能を建築当初の水準を超えて向上させる工事をいい、劣化した部分を建築当初の水準まで回復させる工事は、修繕ではなく改修と呼ばれるものである。
- 2.修繕は劣化した部分を当初の性能水準まで回復させる工事であり、改修は修繕に加えて耐震性や省エネ性などを現在の水準に見合うよう向上させる工事であって、いずれも建替えによらない再生手法である。
- 3.建替えは区分所有者全員の同意がなければ行うことができないため、反対する区分所有者が一人でもいる限り、甲マンションは修繕又は改修による再生を選択するほかないことになる。
- 4.建替えと修繕・改修のいずれを選択するかは建物の物理的な劣化の程度のみによって判断すべきであり、区分所有者の費用負担能力や合意形成の見通し、敷地の容積率の余裕を考慮するのは適切でない。
解説
正解は2。マンションの再生手法は、修繕、改修、建替えに大別される。修繕は、経年により劣化した部分を修理・取替えして建築当初の性能・機能水準まで回復させる行為であり、改修は、修繕に加えて、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、給排水管の性能向上を伴う更新など、社会的な要求水準の変化に応じて建物の性能・機能を向上させる行為である。いずれも既存の建物を活かして長寿命化を図る手法であり、建替えは既存建物を除却して新たに建築する手法である。1は誤り。修繕と改修の意味が逆になっている。3は誤り。建替えは区分所有法の建替え決議により、原則として区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決することができ、耐震性不足などの客観的事由がある場合は各4分の3以上に緩和されており、全員の同意は要件とされていない。4は誤り。再生手法の選択は、建物の劣化度や耐震性などの物理的な要素だけでなく、区分所有者の高齢化や費用負担能力、合意形成の見通し、容積率の余裕による建替えの事業性など、経済的・社会的な要素を総合的に考慮して行うべきものとされている。本試験では、修繕と改修の定義の区別、建替えの決議要件との関係が問われる。