【問120】管理業務主任者 練習問題|長期修繕計画との整合による積立額の見直し
管理組合の会計と仕訳 問20/20難易度C(難しい)
問題文
甲マンション(築12年)の管理組合では、長期修繕計画の見直しを行ったところ、今後予定する大規模修繕工事の費用見込額が当初の計画を大幅に上回り、現在の修繕積立金の額では将来の工事費に不足が生じることが判明した。この場合の管理費および修繕積立金の額の見直しに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.修繕積立金の額は、長期修繕計画の見直しとは切り離して前年度の実績収支のみを基準に定めるものであるから、計画上の工事費の見込額が増加しても積立額の見直しを行う必要はない。
- 2.修繕積立金の不足が見込まれる場合、管理費会計に生じた余剰は翌年度の管理費に充当することが認められないため、余剰の全額を修繕積立金会計へ繰り入れることが標準管理規約で義務づけられている。
- 3.修繕積立金の額は長期修繕計画に基づいて算出されるものであるから、計画を見直して工事費の見込額が増加したときは、これと整合するよう積立額の見直しを総会に諮ることが必要となる。
- 4.管理費会計と修繕積立金会計を区分して経理している場合でも、理事会の判断により管理費を随時修繕積立金会計へ流用することができるため、積立額を見直す必要はなく、不足が生じた時点で管理費を充当すれば足りる。
解説
正解は3。修繕積立金は、長期修繕計画に定める計画修繕の費用に充てるために積み立てるものであるから、その額は長期修繕計画に基づき、計画期間中に見込まれる修繕工事費の総額を各区分所有者の負担に割り戻して算出する。長期修繕計画作成ガイドラインでは、計画期間を30年以上で大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とし、5年程度ごとに調査・診断を行って計画を見直すこととされており、見直しにより工事費の見込額が変われば、修繕積立金の額もこれと整合するように見直す必要がある。管理費等の額の変更や長期修繕計画の変更は総会の決議事項であり、理事会限りで決めることはできない。1は誤り。修繕積立金の額は前年度の実績ではなく長期修繕計画に基づいて定める。2は誤り。標準管理規約では、管理費に余剰を生じた場合はその余剰を翌年度の管理費に充当するものとされており、修繕積立金会計への繰入れが義務づけられているわけではない。4は誤り。管理費会計と修繕積立金会計は区分して経理され、理事会の判断で随時流用できるものではなく、積立不足は積立額の見直しで対応すべきである。本試験では、修繕積立金の額と長期修繕計画との連動、および見直しの周期・手続が問われる。