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ITパスポートと基本情報技術者の違い|合格率48.6%と38.3%

公開: 2026-09-03

ITパスポートと基本情報技術者は、どちらも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格ですが、対象としているレベルがまったく異なります。「まずどちらを受ければいいのか」「非IT職でもITパスポートだけで十分なのか」は、IT資格を初めて調べる人がほぼ必ずぶつかる疑問です。この記事では、最新の合格率と出題構成をもとに、2資格の違いと受験順を整理します。

比較表:ITパスポートと基本情報技術者

項目 ITパスポート 基本情報技術者
実施団体 IPA(情報処理推進機構) IPA(情報処理推進機構)
試験方式 CBT方式・通年実施 CBT方式・通年実施
構成 100問・120分(単一試験) 科目A 60問・90分+科目B 20問・100分
出題内容 ストラテジ35問・マネジメント20問・テクノロジ45問 科目A:3分野の知識/科目B:擬似言語のアルゴリズム16問+セキュリティ4問
合格基準 総合600点以上・各分野300点以上 科目A・科目Bともに基準点以上
受験料 7,500円(税込) 7,500円(税込)
応募者数(令和7年度) 307,266人 年間おおむね10万人台で推移
合格率(令和7年度) 48.6% 38.3%(令和7年度合計)
難易度 易しめ(知識問題中心) やや難しい(科目Bで実技的な読解力を要求)
向いている人 非IT職も含め、社会人の基礎知識として エンジニア・社内SEを目指す人

両試験とも、年間を通じて全国のテストセンターでCBT方式(コンピュータ上での受験)が実施されており、決まった試験日はありません。自分の都合に合わせて受験日・会場を選べる点は共通しています。

レベルが1段階違う、同じIPAの資格

ITパスポートは、社会人として最低限必要なITの共通知識を問う入門レベルの国家資格です。プログラミングやアルゴリズムの実技は問われず、ストラテジ(経営全般)・マネジメント(開発管理)・テクノロジ(技術)の3分野を、四肢択一の知識問題で幅広く浅く確認します。

一方の基本情報技術者は、ITエンジニアの登竜門と位置づけられる資格です。知識を問う科目Aに加えて、擬似言語で書かれたプログラムを読み解く科目Bが課され、アルゴリズムやプログラミング的思考が実際に問われます。同じIPAの試験区分でも、ITパスポートは「利用者としての基礎知識」、基本情報技術者は「つくる側の基礎スキル」を証明する資格、と考えるとわかりやすくなります。

科目Bがいちばんの壁

基本情報技術者がITパスポートより難しく感じられる最大の理由は、科目Bのアルゴリズム問題です。科目B(20問・100分)のうち16問がプログラミング・アルゴリズム問題で、探索・整列・再帰・スタック/キュー・ハッシュといったパターンを、擬似言語で書かれたコードを読みながら解いていきます。2023年4月の制度改定以降、個別のプログラミング言語ではなく、IPA独自の擬似言語に統一されました。

ITパスポートにはこうした実技的な出題は一切なく、用語とその意味を問う知識問題が中心です。「基本情報技術者は難しい」と言われる理由のほとんどは、この科目Bの読解力にあると考えて差し支えありません。

どちらから受けるべきか

結論として、IT資格を初めて受ける人は、ITパスポートから始めるべきです。理由は3つあります。

  1. 合格率と出題形式の両面でハードルが低い(48.6% vs 38.3%)。知識問題のみで、いきなりアルゴリズムの読解力を問われることがない。
  2. 3分野の基礎用語が、そのまま基本情報の科目Aの土台になる。ITパスポートで一度学んだストラテジ・マネジメント・テクノロジの知識は、基本情報の科目Aではほぼ復習になるため、科目Bのアルゴリズム対策に学習時間を集中できる。
  3. CBT方式で通年受験できるため、遠回りにならない。ITパスポートは思い立ってから1〜2カ月程度で合格を狙える試験なので、基本情報の学習を始める前の「助走」として組み込みやすい。

すでにプログラミング経験がある、または情報系の学習を一定量こなしている場合は、ITパスポートを飛ばして基本情報技術者から始めても問題ありません。ただし、科目Bで基礎知識の抜けに気づくケースも多いため、不安があるならITパスポートを短期間で挟んでおく方が結果的に近道になります。

非IT職ならITパスポートで十分か

結論として、事務・営業・企画・人事など非IT職であれば、ITパスポートの取得で実務上は十分なケースがほとんどです。ITパスポートは「ITを利用する側」としての基礎知識(セキュリティ、契約、プロジェクト管理の勘所など)を幅広くカバーしており、社内システムの利用者、DXプロジェクトの発注側・調整役といった立場であれば、必要な知識の大部分をカバーできます。

一方、基本情報技術者まで取得する価値が明確に出てくるのは、社内SEやIT部門への異動、システム開発・保守を担当するエンジニアへの転職を考えている場合です。科目Bで問われるアルゴリズム的思考は、実際にプログラムを読み書きする仕事に直結するため、非IT職のままでは投資対効果が見えにくくなります。「今の仕事でITの基礎知識を証明したい」ならITパスポート、「エンジニアとしてのスキルを証明したい」なら基本情報技術者、と目的で切り分けるのが現実的です。

まとめ:ITパスポート→基本情報技術者の順が王道

ITパスポートと基本情報技術者は、同じIPAの試験でもレベルがはっきり分かれています。直近の合格率はITパスポート48.6%、基本情報技術者38.3%。ITパスポートは知識問題中心の入門資格、基本情報技術者は科目Bのアルゴリズム問題を含むエンジニアの登竜門です。

非IT職はITパスポートで実務上十分なことが多く、エンジニアを目指すなら基本情報技術者まで進む、という目的別の判断が基本です。両方ともCBT方式で通年受験できるため、まずITパスポートから始めて、必要に応じて基本情報技術者に進む2段階のステップアップが無理のないルートです。

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