【問110】賃貸不動産経営管理士 練習問題|立退き交渉に関与する際の留意点
契約の終了・更新と原状回復 問20/20難易度B(標準)
問題文
賃貸人から委託を受けた管理業者が賃借人との立退きの交渉に関与する場合の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.管理業者は、管理受託契約を締結していれば、報酬を得て賃貸人を代理し立退きの条件を交渉することができる。
- 2.管理業者が報酬を得る目的で立退きの交渉を業として行うことは、弁護士法に抵触するおそれがある。
- 3.立退料の提供を申し出れば正当事由は当然に補完されるため、提示する金額の多寡が問題となることはない。
- 4.賃借人が立退きに応じない場合、管理業者は賃貸人に代わって室内の残置物を搬出し、明渡しを完了させることができる。
解説
正解は2。弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件に関して和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることは、弁護士法72条により禁止されている。立退きの交渉は当事者間に争いのある法律事件にあたりうるため、管理業者が賃貸人を代理して条件の交渉を行えば同条に抵触するおそれがある。管理業者としては、賃貸人の意向を伝達する事実行為にとどめ、紛争性のある交渉は弁護士に委ねる対応が求められる。1は誤り。管理受託契約があっても弁護士法上の制約が解消されるわけではない。3は誤り。立退料は正当事由を補完する一要素にすぎず、当事者双方の使用の必要性や従前の経過などと合わせた総合判断となるため、金額も当然に問題となる。4は誤り。残置物を搬出する行為は自力救済にあたり違法である。管理業務の範囲と法律事務との境界を意識したい。